ブログタイトルの人が多い気がする昨今。
その現象、かつて「幸せの国」と呼ばれたブータンでも起こっているらしい。
以下、記事から引用
「かつてブータンの幸福度が高かったのは、情報鎖国によって他国の情報が入ってこなかったからでしょう。情報が流入し、他国と比較できるようになったことで、隣の芝生が青く見えるようになり、順位が大きく下がったのです」(友野さん・以下同)
比較は不幸のはじまり。
何度もこすられまくった話だけど、今ある幸せを意識することって大切ですね。
「幸せな人生」とは何なのか?
お金持ちになること?
権力や名誉を手に入れること?
イケメンや美女と結婚すること?
根本的なところから考えてみよう。
幸せは脳がつくりだすもの。
"脳という感情を作る器官が「幸せ」という感情を作り出す回数が多い人生"が幸せなのではないだろうか。
脳に「幸せ」という感情を作ってもらうためには、お金やステータスは必ずしも必要ではない。
必要なのは、脳内の報酬系の活性化と、罰系が活性化してもリカバリーする能力。
今日はそんな脳科学のお話をしたいと思う。
報酬系について
報酬系とは、脳内の神経回路において活性化すると快感を感じる領域のこと。
嬉しい出来事を期待したり、予想したり、その出来事が起きたときにドーパミンが放出される。
具体的には、
・未来が楽しみになるような趣味をする
園芸、スポーツ、芸術、読書なんでもOK
・予期しない嬉しいことを与え合うことができる人間関係を構築する
あいさつ、相手を褒める、思いやり、助け合い...etc.
※ただし、ルーティーン化してしまうとダメ
罰系について
罰系とは、脳内の神経回路において活性化すると不快感を感じる領域のこと。
罰系が活性化すると、不快感を抑制するためセロトニンが分泌される。
実は、お化け屋敷はこの罰系を利用したビジネス。
お化け屋敷で恐怖を味わうと罰系が活性化し、恐怖を抑制するためにセロトニンが分泌される。お化け屋敷を出ると恐怖はなくなるが、脳内でセロトニンがしばらく分泌し続けるため、スッキリした気分になる。
セロトニンはこの他にも、体温や摂食行動などの生体機能を調節したり、睡眠を促すホルモン(メラトニン)の原料になったりする。不足するとうつ病の原因になるという説もあるくらい、幸せと深い関係がありそうな脳内物質。
セロトニンを増やすには、以下
・規則正しい生活
・太陽に当たる
・よく噛んで食べる
・リズミカルな運動(散歩、ジョギング、座禅など)
そして、セロトニンはトリプトファンから合成されるが、トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸なので、食物から摂取するしかない。
トリプトファンが含まれる食品
牛乳、ヨーグルト、卵、バナナ、ごま、ピーナツ
を食べると良い。
オキシトシンについて
オキシトシンの分泌は罰系の中枢である扁桃体の活動を抑制するので、恐怖や不安を和らげる効果がある。
・ふれあい(スキンシップ、ハグ、あいさつ)
・信頼関係の構築(同じ釜の飯を食う、仕事、ゲーム、スポーツ)
によって分泌が促される。
幸せは足元にたくさん転がっている
他人の幸せに嫉妬してしまいがちな人たちは今一度考えてみてほしい。
人生なんて報酬系を活性化させたもん勝ちで、セロトニンで癒されたもん勝ちなんだということを。
ブランドバッグも、高級レストランの食事も、エステで整えられた顔面も、無くたって幸せになれるのだ。
それらは報酬系を活性化させる手段に過ぎず、無ければいくらでも別のもので代用できる。
むしろ、金持ちや社会的ステータスが高い人は、おいしい食べ物や刺激的な体験に慣れすぎて、報酬系を活性化させるためにより強い刺激を得なければならないから、庶民より幸せを得るためのコストや労力が必要かもしれない。
幸せの閾値は低い方が得である。
ちなみに、報酬系は薬物でも活性化される。しかし同時に、刺激しすぎて不可逆的に脳を破壊してしまう。人生全体の幸せを考えた時にはむしろ不幸に向かってしまうだろう。
お金も社会的地位も手にした芸能人が薬物に手を出すのって、もはや半端なことでは満たされない報酬系への刺激を求めた結果なのかも?
なんだか貧しそうだけど幸せそうな発展途上国の人たちの映像を時々見るけれど、あの幸せの正体がなんとなく分かった気がするのよね・・・
参考文献
お化け屋敷で気分スッキリ/村田裕之氏 | 高齢者住宅新聞オンライン
SAC東京6期コースⅠ第9回月例会 事務局レポート | 東北大学スマート・エイジング・カレッジ(SAカレッジ)