すやすや生活日記

専業主婦が日々を記録するブログ

紅麹サプリの健康被害から学ぶ「機能性表示食品」と食の安全

最近、食と健康についての本を図書館で借りまくっていたのだが、

飛び込んできた「小林製薬の紅麹サプリの腎障害ニュース」

サプリを飲んだ人々が、重い腎障害を患ったということで話題になっている。

 

www.yomiuri.co.jp

 

ちょうど図書館から借りた「Newton 科学的に正しい食品の大百科 改訂第2版 (2022年10月発売)」が家にあるので、健康効果を謳う食品の落とし穴について書こうと思う。

 

 

小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」というサプリメント、パッケージに「機能性表示食品」とある。

この文字を見てなんとなく、トクホ(特定保健用食品)のイメージに引っ張られ、『国が検査して許可を出して発売している商品なんだろうなー』と、無知な消費者は思ってしまうかもしれない(私もかつてそう思っていた)

 

この「機能性表示食品」、実は、国の審査を受けているわけではなく、許可無しで栄養成分の機能を表示できる

発売日の60日前までにメーカーが、食品の機能や安全性の評価、健康被害があった時の連絡体制などを消費者庁に届ければ、それぞれのメーカーの責任で販売できるのだ。

しかも、食品の機能や安全性を確認する実験は、必ずしもメーカー自身が行う必要はない。その食品に含まれる成分について書かれた論文を根拠としてもいいことになっている。

さらに、表示されている効果が発揮されるときの具体的なメカニズムを示す必要もない。

 

これを読むと、「機能性表示食品」への期待感がド下がりする人も多いのではないだろうか。「効いたらラッキー」くらいの効果しか期待できない気がしてきた。

個人的に引っかかるのは、「食品の機能や安全性を確認する実験は、必ずしも行う必要はなく、論文を根拠にしてもいい」という部分だ。

機能性や安全性について、人への試験はおろか動物実験さえせずに、人体への機能を持たせた新商品を発売しても良いなんて、制度ガバガバすぎんか?と思う。

 

ちなみにこの「機能性表示食品」は、アベノミクスの第3の矢、規制緩和による経済成長戦略の一つで2015年に導入されたそうだ。

 

www.asahi.com

 

機能性表示食品への信頼は、一企業の肩に乗っている。

経済を活性化させるために、食の安全をないがしろにしてないか?と心配になる。

 

 

一方、「トクホ(特定保健用食品」の発売には国(消費者庁)の許可が必要だ。

トクホの許可を得るためには、①実験室での試験、②動物試験、③ヒト試験と3段階の試験を行う必要があり、これは薬への試験と同じである。

食品の成分がどんなメカニズムで効果を発揮するか証明する必要があり、試験の有効性は専門家からなる調査会で厳しく審査される。

なかなかハードルが高いので、トクホじゃなくて機能性表示食品にしたい企業側の気持ちも分かるのだが…試験してない機能性表示食品ってのは、消費者がモルモットみたいじゃんか…と思った。(ちゃんと試験してるところもあるだろうけど)

 

 

以上、

買い物の際の参考になれば幸いです。