先日、机を整理していたら、6年前に参加した女性活躍を推進するイベント(Lean In Tokyo)の冊子が出てきた。
Lean In Tokyoとは、簡単に言えば、女性が活躍しやすい社会を作るために活動している団体。
本体組織のLean Inは、FacebookのCOO シェリル・サンドバーグが立ち上げたというから、キャリアウーマンのキャリアウーマンによるキャリアウーマンのための組織なんだろうと思う。
当時20代前半だった私は中小企業の事務職という仕事に満足しておらず、何とか自分の社会的価値を高めたいと思っていた。
資格を取ったり、イベントやワークショップに参加したり、転職したり・・・
それが功を奏したわけではないことは、現在無職の私が証明している(良い体験にはなったが)
このLean In Tokyoのイベントは数回出たが、そこで感じたことは”疎外感”だった。
このイベントに参加する女性のマジョリティは、ケアの行き届いた髪にオフィスカジュアルな服を着て、公演が終わったら登壇者と名刺交換をし、積極的にコミュニケーションをとるキラキラキャリア女子。
それに対して、一つに束ねただけの黒髪に地味メガネの私は、名刺交換はおろかイベント終了後の集合写真にすら写りたくなくて隅っこで小さくなっていた。
そして、スピーカーイベントで登壇する女性たちは、みんな有名大学を出て大手企業に入って管理職に登りつめている。
(↓華々しい経歴の女性たち ※一応モザイクかけとく)
コミュ力があって、頭が良くて、英語がしゃべれて、MBAをとって、、、
いやいや、これ目指せって、、、子宮からやり直さないと無理じゃん!
よく目にする、女性が社会に求められているスキルが「コミュニケーション能力」「細かな気配り」である。
確かに女性はおしゃべりが好きそうだし、言葉を話せないような子供を育ててきた性別である故、人のちょっとした変化に気づく能力があり、非言語コミュニケーションが得意だと聞いたことがある。
だがそれは私にはないスキルだ。
昔からしゃべるのが苦手でおとなしく、集団の輪の中に入るのも苦手なスクールカースト下位の女だった。
飲み会のお酌、上司へのヨイショ、部下への気配り、、、人が欲するものを適切なタイミングで先回りして提供できる能力を持つ女性の同僚たちを、尊敬の眼差しで見てきた。
そんな私のような人間は、この団体が推し進める”女性が活躍する社会”の”女性”の中には含まれていないであろうか。
このイベントに出た後の私は、何度か転職した。
女性に期待される対人スキルがないなら、IT系で人と関わらない仕事やればいいのでは?と、IT系の資格(基本情報、CCNA等)を取得しIT系の会社にエンジニアとして就職した。
しかし、そこで広がる体育会系な男社会(ブラック労働自慢、飲み会出席率で決まる人事、喫煙室コミュニティ)にもなじめなかった。
また、学生の頃から機械いじりが趣味みたいな男の同僚と肩を並べてなんて無理で、浅い知識しかない私が仕事についていくのはひたすらしんどくて退職してしまった。
私は女社会にも、男社会にもなじめない。
そういう女はどう社会で生きていけば正解なのか。
専業主婦というリスクヘッジができない職が唯一の正解なのだろうか。